毎年8月の最終週から9月の初めての週末にかけてサン サルバトーレ ディ シニスで
行われるお祭りのメインイベント、La Corsa degli Scalzi(はだしレース)を10年ぶり
ぐらいに見に行って来た、それも1日めの朝早くから行われるレースは初めて。
San Salvatore di Sinis-サン サルバトーレ ディ シニス
オリスターノ県にあるボッタルガ(カラスミ)で有名な町、カブラス。その町外れに
国立海洋保護区のシニス半島があり、その中には古代遺跡の町タロスも位置する。
カブラスからタロスに向かう手前にある集落。
サン サルバトーレ ディ シニスは中世に出来た集落でその名は集落の真ん中に
ある異教徒の教会名から取られた。その教会の地下の壁にはオリジナルがヌラーゲ
時代であったこと、古代ローマの神殿として使われていたことやアラビア語の碑文、
アラーの祈り、中世期のイスラム虐殺者に立ち向かったことなどが見て取れる。
この集落に17世紀の終わり頃、この教会の祭典を準備するために9日間祈りを捧げる
Novenaという行事のためにたくさんの小さな家が建てられ、当時は酪農のための
一時的な家としても使われていた。1960年代半ばに西部劇マカロニウエスタンの
映画のセットとしてその家並みが度々使われたことでも知られている。実際、何年か
前にここで家を持っているおじさんにうちの家は保安官の家に使われていたんだよ、
と誇らしげに言われたことがある😆 ちなみにここに家を持っている人はすべて
カブラスの住人。
現在では8月の終わりから9月の初めにかけて行われるサン サルバトーレ祭の9日間
のみ、そこで生活し、お祭りを楽しむ人たちで賑う。
普段は写真左2枚のようにほぼ人影がない集落が人、ひと、ヒトでごった返す🤣
La Corsa degli Scalzi(はだしレース)。
9月の第1土曜日の夜明けから始まるレースでカブラスで生まれた男子(またはカブラスの
女性と結婚した男子)のみがはだしに白いチュニカと呼ばれる服を着て、カブラスの聖母
マリア教会からサン サルバトーレ教会までの約7Kmの道のりを聖人像や供物を担いで
100mごとに"Viva Santu Srabadoi"(Viva San Salvatore)と代わる代わる叫びながら
走る。続いてあくる日の日曜の夕方には反対の道のりを同様に走る。
その起源はムーア人からの襲撃の際に聖人を守るため、若者の一団が聖域まで連れて
行ったことを想いおこすようにと始まったレースだとか。はだしで走るのはより多くの
砂埃を上げて多くの人数が居るんだと思わせるための戦略だとか。。。
参加するのは若者のグループ、となっているけど、ちっちゃな子供から結構なお歳の
人まで居たような🙄 写真下右から2枚め、白い横線のようなもの 笑 が走っている
男性たち。彼らが走る砂利道は通行禁止なのでほぼ平行に走っている舗装された道
から撮ったトコ。写真下右端はサン サルバトーレに到着した面々😊
はだしレースの前後には伝統衣装を着けた女性のグループがこれまた裸足でカブラスの
教会からサン サルバトーレ教会まで練り歩くイベント?やミサは欠かせない。
その他にもお祭り中の9日間、カブラスの食材を使った料理の試食会(カラスミやその親の
ボラの塩焼きなど)があったり、コンサートや踊りがあったり…と夜な夜な、賑やかな
お祭りが繰り広げられ、屋台も出る。また宗教的な意味合いのお祭りだけでなく、豊作や
豊漁を祈るお祭りでもある。カブラスや周辺の人にとってはもちろん、観光客にとっても
待ち遠しいお祭りのひとつ、機会があればぜひ!
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